お知らせ

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2025.08.15

戦争と花壇

お花好きのある奥様から、こんなお話を伺いました。

 

「私が学生の頃、園芸部で

 校内に花壇を作ろうとすると

 地面を掘れば瓦礫ばかりで

 とてもすぐに

 お花を植えられるような状況じゃなかったわ」

 

それが何を意味するのか、すぐには想像できず

私がその状況を思い浮かべるには

ほんの一呼吸、考える時間が必要でした。

 

 

奥様の通っていた学校は東京都港区にあり

1945年5月25日の山の手大空襲で

地域一帯が焼き払われた場所にありました。

 

その方が学校に通われていたのは

戦争が終わって10年ほど経った頃でしたが

それでもまだ、校庭のあちこちに

空襲の瓦礫が埋まったままだったそうです。

 

「花壇作りは名目で、あれは校庭内の片付け作業

 だったのかもしれないわね」

 

 

今、私たちがこの近隣でお庭をやろうとするとき

掘ったら瓦礫ばかりということはほとんどありません。

 

しかし今も、日本国内でも自然災害により

瓦礫の片付けが続いている地域がありますし、

他国では今この瞬間にも戦争が繰り返され

瓦礫の降る中を逃げ続けている方々がいます。

 

戦後80年の今年、

土を掘り、木を植える、花を育てる…、

そんな穏やかな日々を送れることの尊さを思う、

終戦の日です。

2025.08.03

【お水やりのお願い】樹木たちの水が足りていません!

台風が過ぎ、今日も外に出るのが大変な暑さですね。

その台風でも、横浜付近ではそれほど雨が降りませんでした。

 

今年は雨が少なく、気温の高い日が続いています。

そんな中、お庭の木々や草花の様子が

「なんだかいつもと違う」と感じたことはありませんか?

 

いま、私たちの身の回りの樹木たちのお水が

全くもって、足りていない状況です。

できれば緊急に、お水やりをしていただければと思っております。

 

最近私たちがお庭のお仕事をしていると

あちらこちらで樹木が枯れています。

元気そうに見える樹木の葉っぱも、よくみると

通常よりも小さくなってしまっているのです…。

 

 

今年の葉っぱが小さい?それ、水不足のサインかも

 

植物は、乾燥や水不足のストレスを感じると

体を守るために葉のサイズを小さく抑えることがあります。

あるいは、葉っぱの数を少なくすることもあるんです。

 

これは、葉っぱを小さくしたり減らしたりすることで

葉の裏の気孔から蒸散する水分を減らして

植物たちが水不足に耐えようとしているサインなのです。

 

しかし、葉っぱの面積が小さくなると光合成しづらく

植物たちの成長エネルギー(糖分)が作れなくなります。

いつもは気孔から水を蒸散させることで

根から上へと水を引き上げているのですが

水が足りないとこの流れが鈍くなってしまいます。

さらに、根っこの活動も鈍って水が上がりにくなると

人間でいえば血の巡りが悪いような状態になり

根から吸い上げている栄養(ミネラル)も行き渡らず

全体の代謝も低下してしまうのです。

 

これでは、植物たちもどんどん弱って、枯れてしまいますよね…。

 

 

お水やりは、朝か夕方がおすすめ!

 

植物たちは、朝に太陽の光(特に青色光)を浴びると

気孔を開くホルモンの働きが活性化され

そこから気孔を開き、光合成を始め、水を吸い上げます。

ですので植木たちにとっては

朝のお水やりはとても嬉しいものなのです。

 

そして酷暑の今は、夕方の時間帯もおすすめです!

気温が低くなる時間帯、日差しがないタイミングで

たっぷりとお水やりをしてみてくださいね。

 

今は各地で水不足のお話も出ていますし

節水が求められる地域では、無理のない範囲で

身近な再利用水をご活用いただけたらと思います。

 

お風呂の残り湯や、お米の研ぎ汁、

お野菜をゆでたり、レトルト食品を温めるのに使ったお湯なども

活用できます。(もちろん常温にさましてから)

ぜひ、十分にお水やりしてあげてくださいね。

 

植物たちは、歩いてお水を飲みにいけませんし

黙って植えられた場所で耐えています。

 

でも、適切にお水をあげ続けていけば

いちど葉っぱが小さくなってしまった植物でも

数ヶ月後に元の葉っぱサイズに戻ることもあるんですよ。

 

植木はおしゃべりできません。

でも、あなたのお水やりに、きっと応えてくれると思うのです。

2025.07.25

夏季休業のお知らせ

平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

誠に勝手ながら、弊社では以下の期間を夏季休業とさせていただきます。

 

休業期間:2025年8月13日(水)〜8月17日(日)

 

休業中にいただいたお問い合わせにつきましては、8月18日(月)以降に順次対応いたします。ご不便をおかけしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

皆様には素敵な夏休みをお過ごしいただけますよう、心よりお祈りいたしております。

 

 

<写真:土壌試験場の畑で取れたスイカです!>

2025.07.10

嬉しい一日

「やったぞー!ついに日本一になったぞー!」

と、九州の親父から電話がありました!

昨日は、嬉しいことがたくさんあった一日でした。

 

これは、ある個人のお客様のお宅で

お庭をつくっている現場での、みんなの様子です。

 

黙々とブロックをはめる Mさん。

 

真っ赤な顔でブロックを納めるやいなや

「ブロックを納めたりない!」と勢いよく言ってくる

積極的な Aさん。

 

無い答えを必死に探しながら庭石を据え

おいらにダメ出しされても、また黙々と石に向き合う Kさん。

 

まるで「小麦粉の中の飴を探す競技」でもしたかのように

粉だらけになって必死にブロックを加工する Yさん。

 

スプレッターを使って遠慮がちにブロックを割り

コツコツとハンマーで叩いて納め

レンガ300本を半日で配り終えた YZさん。

 

「大きな問題点は見つかりませんでした!」と

エアコンの効いた食堂で休んでいるおいらに電話をくれた AMさん。

 

それぞれが、いいものをつくろうと試行錯誤する。

その背中を見ているだけで、嬉しくなる一日でした。

みんな、本当にありがとう!

 

…で、九州の親父が言っていた「日本一」というのは、

昨日の福岡県朝倉市が、最高気温全国1位だったそうです(笑)

お騒がせしました!

(画像は、先月九州に帰省した時の写真です。)

 

 

【職人の仕事に興味のある方へ】

当社では、庭づくりに情熱を持つ仲間を募集しています。

ご興味のある方はお問い合わせフォームからご連絡を下さい。

2025.07.02

クビアカツヤカミキリにご用心!

本格的に暑くなってきて、昼間に外を歩くと

ついつい木陰を探してしまいますね。

街中の樹木たちに、心から感謝する瞬間です。

 

さて今日は、そんな樹々たちを守るための注意喚起、

「クビアカツヤカミキリ」という虫についてのお話です。

 

現在、日本各地でこの虫の被害が発生しており

東京都や神奈川県のホームページにも

対応方法が掲載されています。

 

 

クビアカツヤカミキリって、どんなムシ?

 

これは日本に古くからいる

在来種のカミキリムシとは違う外来の虫で、

元々は中国、台湾、朝鮮半島、ベトナムなどが原産です。

中国内で桃の木に大量発生したものが

日本に上陸し、桜の木に産卵し始めた模様です。

 

樹木の幹に産卵し、卵から孵化した幼虫は、

幹の中に入って樹木胎内を食い荒らすので

放置すると樹そのものを衰退させ、枯らしてしまいます。

 

特にクビアカツヤカミキリは産卵数が多く、

一度に100個以上を産卵する上、孵化する率も高いため

大量に発生してしまう様です。

しかも樹の内部に住んでいるため、天敵も無いんです…。

 

幸い、飛ぶ能力はあまりないので

長距離を飛んで移動するようなことはないそうですが、

思わぬ移動の例としては、伐採されたサクラの幹を

薪として使うためにキャンプ地に移動させたら

そこからクビアカが発生してしまった例もあるそうです…。

 

それと、クビアカツヤカミキリは

麝香昆虫(じゃこうこんちゅう)といって

香水の様な良い匂いがする虫なんです。

だからといって、うっかり

「捕まえて、お部屋で楽しもう!」

なんてことになれば、被害が広がりかねません。

夏休みも近いですし

虫好きのお子様がいらっしゃる方等は

知っておいた方がよいかもしれませんね。

 

なお、2018年1月には特定外来生物に指定され、

この虫を飼育したり

生きたまま持ち運んだりすることは

禁止になっていますので、ご注意くださいね。

 

 

どんな樹に発生するの?見つけ方は?

 

この虫の被害は、特にバラ科の植物に多くみられ

(モモ、ウメ、サクラ等)

日本の果樹園でも発生事例があります。

 

成虫の大きさは2〜4センチくらいで

6月から8月くらいにかけて活発に活動しています。

(今ですね!)

一方、木の内部にいる幼虫は、4月から10月頃まで

幹を齧るなどして活動しています。

 

虫の発生は、幹に無数の穴が空いて

そこから大量のフラス(虫の糞や木くず)が出ているので

直ぐに分かります。見ると結構びっくりしますよ!

 

特徴的なのは、ある程度育った樹がやられることです。

胴回りが太い樹、でも樹勢が弱っている樹のほうが

クビアカの被害を受けているんですよね。

 

逆に、若くて樹皮がツルツルした樹や

樹勢が強く元気な樹の被害は少ない、

細い幹のものにはクビアカが着いていない、

という状況です。

昔から言いますが、虫にも好みがあるのでしょうね。

 

 

クビアカ対策、どうしたらいい?

 

公園の木々や街路樹を管理している方々の場合、

薬剤を樹の幹に塗布したり、

樹幹に穴をあけて薬を注入したり、

虫が発生した樹木の幹にネットをかけて

飛散防止を図る等しているそうですが

なかなか追い付いていないとのことでした。

状況によっては、伐採処置も実施しているそうです。

 

そして私たち個人が、今できる対処方法としては

この虫を見つけたら、かわいそうですが

捕殺(潰す)することが大切です。

 

また、機会があれば、周囲にお住まいの方やお庭友だちにも

「この虫を見つけたら捕殺して!」って

お伝えすることでしょうか。

 

もしお庭の植木に被害を見つけたなら

植木屋さんに薬剤撒布等を相談しても良いかもしれません。

 

なお、昔から日本にいるカミキリムシさんたちは、

日本の生態系に適応しており

天敵や環境とのバランスが取れているので

さほど心配はありません。

むしろ自然界の中で、弱った植物が土に還るのを助け

自然環境の循環に役立ってくれています。

 

ですので先ずは

クビアカツヤカミキリを知っていただき、

皆さんが、ゴキ××を見つけたときのように

「退治しなくちゃ!」と思ってくださるようになると

良いのかな?と感じています。

 

捕殺には、ハチジェットも効くそうですよ!

 

 

 

※さらに詳しい情報はこちら

東京都環境局のページ

神奈川県環境農政局のページ



群馬県環境森林部のページ

 

画像出典:東京都HP(写真上)、群馬県HP(写真中左、中右、下)よりお借りしました。

2025.06.22

畑は小さな生態系。じゃがいも出来ました!

昨日は夏至でしたね。最近は日が長いものですから

ついつい活動時間も長くなってしまいます。

今朝は6時から

うちの畑で芋掘りと草刈りをしてきました。

 

今年はじゃがいもが良く出来ていますよ!

写真のお芋の種芋は

昨年収穫した芋を貯蔵しておき、春先に埋めてみたものです。

昨年植えたじゃがいもの孫?でしょうか。

 

ここの所、奇跡的に快晴の日が続きましたね。

じゃがいもを長期保存するには

芋の表面の土を出来るだけ払い落としておかないと

その箇所から腐ってしまうので、

今日は芋掘りにちょうどいいタイミング。

土がパサパサで扱いやすいですね。

でも、暑かった!!!(笑)

 

せいろに収まらないくらいの大物?も採れました。

大きければ良いとも思えませんが

果たしてお味はどうでしょうか。

 

 

さて、お野菜のお話をもう一つ。

あるお客様のお宅の家庭菜園(菌ちゃん畑)でも

きゅうりや茄子など

夏野菜たちが順調に育ってくれています。

 

こちらの畑には、ネコブセンチュウ対策に

野菜の周りにマリーゴールドを植えているので

畑がなんとも華やかです。

(野菜のうしろに、お花がちらりと写っています!)

 

マリーゴールドやキンセンカは、根っこから

ネコブセンチュウを抑制する物質をだしていて

作物の近くに植えると

センチュウ避けになると言われているんですよ。

(アップの写真のお花は、キンセンカです)

 

また、今年は自動灌水装置をストップしていましたが

野菜たちはとても元気にしていました。

今までお水が多かったのか…

あるいは、有機栽培の畑に、水道水を毎日撒くと

土中の菌の繁殖が上手くいかないのかもしれません。

 

 

長雨だったり、酷暑だったり、

いきものたちを取り囲む環境は様々で、

育ち具合も折々に変わります。

 

お野菜、お花、虫たち、土中の菌たち、

いろんないきものたちの声を聞きながら

炎天下の畑仕事をやっています。

2025.06.06

ネズミ被害、こんなところにも⁉︎

先日は当社の固定電話が繋がらなくなり

ご不便とご心配をおかけいたしました。

 

電話ルーターなど回線機器の再起動でも復旧せず

NTTさんに点検を依頼したところ……原因は何と「ネズミ」!

壁の中の電話回線がかじられておりました。

 

ネズミなどのげっ歯類は、歯が一生伸び続けるため

歯を削るためにコード類や配線などをかじることがあるそうです。

 

最近、横浜市青葉区・緑区などでも

一戸建て住宅で同様の被害が相次いでいるとのこと。

皆さまのお宅でも、どうぞお気をつけください。

 

ちなみに3月頃には、山下公園のチューリップの球根が

かじられるという被害も発生していました。

植物たちにとっても、まったくもって災難ですね…。

2025.06.05

【お知らせ】固定電話 復旧のお知らせ

先日より不通となっておりました弊社の固定電話は、現在復旧いたしました。

ご不便をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

2025.06.02

樹齢60年を超える桜の再生プロジェクト ⑥ <見えないところに手を入れる。土中から始める樹の再生>

今回は、奥多摩から運んできた

栄養たっぷりで、森の香りが広がる腐葉土を使って

桜の足元の土壌改良を行う様子をお伝えします。

 

桜の根っこも、呼吸します

 

土壌改良を施す4本の桜の足元には

長年の間に自然と運ばれた種たちから

様々な植物が芽吹いていました。

 

そこで、元気そうないくつかの植物たちを掘りあげて

マンション内の植え込みで空いている場所を探し

移植をしてみました。

彼らもまた新しい環境で、根付いてくれるといいですね。

 

そうして整理した桜の足元の地面に

今度は60センチ程の深さの穴を

いくつか掘っていきます。

 

実は、植物の根っこも呼吸をしていて、

土の中の酸素を吸収し、二酸化炭素を排出しています。

特に桜の木は、根っこが浅く広がる特性があり

地面の近くに多くの根を伸ばすことで

必要な酸素を吸収しようと頑張っているのです。

 

しかし桜の周りの土壌が固かったりすると

根っこが呼吸できず

樹が元気をなくしてしまうことも、実はよくあるんですよ。

 

だから、桜の木を健康に育て直すために

土壌の通気性を確保して

根っこが呼吸できるようにしてあげたいのです。

 

さらには、空気が好きな土中の菌ちゃんたちも

元気に働いてくれて、腐葉土を分解し

桜のための栄養を作ってくれるように

土中に空気を送り込む

「エアレーション」を行います。

 

 

堀った穴に、割竹を差し込みます

 

竹を縦に二つに割って、中の節を抜いて

ストローのようにしたものを掘った穴に差し込んだら

(一番下の節だけは抜かずに残します)

その周りに腐葉土を詰めていきます。

 

腐葉土はふかふかしているので

木の棒で土をトントンつつきながら

しっかりたっぷりと竹の周りに入れ込みます。

 

締め固めの理屈からいうと

土も泥も砂も同じで

「10センチ入れたら締め固める」のがポイントです。

 

トントンすると思った以上の量が入るので

みんなで何度も土を運んで詰め込んでいきました。

 

 

仕上げは“土の呼吸”を守る工夫

 

割竹を縦に埋めたら

今度は桜の根っこにお布団をかけるように

植え込み全体に腐葉土を敷いていきます。

 

桜の根っこの呼吸を妨げないよう

土を被せる厚みも考えて敷設するんですよ。

 

これが、植え込みのあちこちに竹が突き出ていて

まるで大勢の忍者たちが土遁の術?で

土中に隠れているような見た目になって面白く、

住人さんたちから「この竹は何?」って

何度か聞かれたくらいです。

 

そして腐葉土を被せた後は、雑草が生えないように

雨水は通しながら、紫外線はしっかり防いでくれる

丈夫な防草シートを被せていきます。

この時、土が呼吸するための竹を塞がないよう

息継ぎの穴を開けておくことを忘れずに…

 

 

治療の効果は数年後

 

この大量の腐葉土が分解され、桜の栄養となり

センチュウにやられた根っこが回復したあとで、

桜が少しずつ新しい枝を伸ばしてくれれば

またいずれ美しい花を

たくさん咲かせてくれることでしょう。

 

この手当てをした翌年は

地上の桜の見た目はまだ殆ど変わらなくて

土中の根っこの回復期間となります。

 

そして地上で新しい枝が出て、蕾が増えてくるのは

以前に手当した桜たちのように

3、4年後くらいになると思います。

 

前回手当をした桜たちの足元にも

分解されて減った分の腐葉土を足し、

土に還って姿を消した割竹は

新しいものに入れ替えて、

この日の作業を終えました。

 

 

さて皆さん、このプロジェクトの最初に剪定した

桜の枝や幹が、実は消防団以外のところでも

思いがけないかたちで役立っているのを

ご存知でしょうか?

 

次回はいよいよ最終回。

剪定した桜のその後の物語をお届けします。

2025.05.10

樹齢60年を超える桜の再生プロジェクト ⑤<生きた土を育む。奥多摩の森からの贈り物>

センチュウ被害で根が弱った桜たちに

元気を取り戻してもらうため、

今度は「土壌改良」をしていきます。

 

桜の根っこを充実させるには、

まずは根の活動を助けてくれる

土中の微生物(菌ちゃん)たちが

元気に活動できる土壌にするのです。

 

土壌改良のポイントは二つあって、

菌ちゃんたちのエサになる良質な有機物を

たっぷり含んだ腐葉土を入れてあげること。

そして、地中に程よく空気を送り込んで

菌ちゃんたちが呼吸しやすくしてあげることです。

 

 

岡部園芸産業さんの腐葉土

 

今回の桜の土壌改良にあたっては、

東京都あきる野市にある

株式会社 岡部園芸産業 さんの

腐葉土を使わせていただきました。

 

腐葉土を作るには、大量の落ち葉を使用します。

特に、クヌギやナラなど、広葉樹の葉っぱが

菌ちゃんたちの喜ぶ、よい腐葉土の材料になります。

 

岡部園芸産業さんは毎年秋に

東京近郊や関東各地、埼玉や茨城などの山々で

腐葉土に適した樹種の落ち葉にこだわって

材料を採取されています。

 

もしもマツやスギ、ヒノキなどの

常緑樹の葉っぱが多く混じってしまうと

葉が硬くて分解されにくく

腐葉土になるのに時間がかかり

土の品質が落ちてしまうのだそうです。

 

さらに、一部の常緑樹の葉っぱは

樹脂を多く含んでいますから分解されにくい上

菌ちゃんたちはそもそもこの樹脂が苦手でして

逆に土中微生物の活動が抑えられてしまうときも。

 

このように材料選びにこだわって作られている

岡部園芸産業さんの土は

植物たちがとても元気になるので、

私たちも大ファンです。お庭に土を入れる度

その後がいつも楽しみになるんですよ。

 

 

土づくりの現場に行ってきました!

 

今回はかなりの量の腐葉土を使うため

トラック2台にスタッフで分乗し

あきる野まで腐葉土を取りに伺いました。

 

3月中旬、奥多摩の最高気温は12度ほど。

森に囲まれた現地は、空気がひんやりしていました。

 

樹種を厳選した落ち葉を

この奥多摩の地で6か月以上発酵させて

腐葉土を作ります。

落ち葉には様々な微生物がついているので

積み重ねておくと、自然に分解と発酵が始まるのです。

 

最初の半年は、時折水をかけながら

2ヶ月に1度ほど全体をかき混ぜていくのですが

微生物の発酵の力というのはすごいもので

時に80度くらいまで温度が上がるのだとか。

 

上手に管理しないと自然発火してしまうそうですが

温度が上がってくると匂いでちゃんとわかるのだとか…!

燃えてしまったら腐葉土になりませんし、

さすがは土づくりのプロですね。

 

 

腐葉土のかぐわしい香り

 

トラックに積んだ腐葉土は本当にいい匂いでした…。

荷台に頭を突っ込んで思い切り嗅ぐと

なんともいえない森のいい香りがするのです。

 

しかも、腐葉土の山全部からいい香りがするので

お部屋用のアロマディフューザーなどとは

スケールの違う、頭のてっぺんからつま先まで

森の空気につつまれるような心地よさ。

これは他所ではできない体験です。

 

香りの感動をお伝えすると、

「発酵の途中段階は、むしろ臭いときもあるから

 今はいい時期なんだよ」とおっしゃっていました。

なるほど、ものづくりの途中には様々なご苦労があるのですね。

 

岡部園芸産業さんの腐葉土は、

通販やホームセンターでポリ袋入りのものを

購入できます。

流通過程で香りは概ねとんでしまいますが

土中の菌ちゃんたちとお庭の植物たちが

大いに喜びますので、ぜひ試してみてくださいね。

 

栄養たっぷりの腐葉土をトラック2台いっぱいに積み

3月は土をやるのにいい時期だねーという

岡部園芸さんの温かい言葉に励まされながら

桜たちの待つ、横浜市に向かうのでした。

(3月中旬に作業しております)

 

 

次回は、土中に空気を送り込む

「エアレーション」についてお伝えします。

 

<岡部園芸産業様、お忙しい中をブログ取材にご協力くださり、本当にありがとうございました。>

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